抄録
JAEAで設計を進めているナトリウム冷却大型炉では、燃料交換機アーム用の切込みを有するコラム型UISが採用されている。UISは冷却材が内部に入り込む構造となっており、炉心出口部において燃料集合体からの高温流体と制御棒からの低温流体が混合し、UIS下部において高サイクル熱疲労が発生する可能性がある。そこで、1/3スケールモデルの水流動試験を実施し、制御棒とブランケットチャンネル周りの流動パターンを把握するとともに、熱電対による温度計測を実施した。試験体は、実機の上部プレナムを1/3スケール60°セクタでモデル化した。高さ方向には燃料集合体ハンドリングヘッドから上部プレナム中間までを模擬している。温度計測の結果、UIS底面に大きな温度変動が見られたが、最も強度が大きい部分は制御棒チャンネル近傍に限られる。またブランケットチャンネルについては、UIS内部の流動によってブランケットからUIS内部に向かう流れが観察された。