抄録
放射性廃棄物処分に関するモニタリングにおいては、通信ケーブルを使用せず低周波電磁波により緩衝材の中に設置されたセンサのデータを無線で記録装置に通信するモニタリング方法が検討されている。現在、地下空洞型処分施設を対象に送信機を高さ1mの底部緩衝材中に設置したときの試験空洞内における磁束密度(受信強度)を、汎用3次元電磁波解析コードを用いて評価を試みている。
本報では、鉄筋が多く使用されたコンクリート構造物に囲まれた中からの通信時に見られる複雑な電磁波伝播挙動の評価を試み、原位置における試験結果と比較し、解析的評価の妥当性を示すと共に、残された課題解決に向けた信頼性向上方法を提案する。