抄録
トリチウムブリーダー材料の候補となっているLi2TiO3について、材料として基本特性となる空気中での結晶構造・高温における相転移・熱膨張挙動を、オリジナルに設計、高エネ研PF-BL4B2に設置した高分解能高温放射光X線回折測定装置を用いて解析した。一般に使用されているCuKα線を用いたX線回折測定より高精度で、格子定数やその温度依存性を決定することに成功した。また本物質には450°Cで格子定数やモル体積の温度微分に不連続が存在、つまり高次相転移がある事が確定した。これは熱伝導測定や焼結体の熱膨張測定の結果と対応した。