抄録
本研究はブラッグピーク領域(数MeV/u)の重イオン衝撃により水蒸気から放出される二次電子線のエネルギー及び角度分布を測定し、既存の理論と比較しうる高精度な二次電子生成二重微分断面積を求め、さらに、得られた断面積を用いて重イオンの水中におけるトラック構造をモンテカルロ法により解析することを目的とする。6.0-15.0 MeV/u He2+に続いて6.0 MeV/u C6+入射で断面積を測定し、ブラッグピーク領域のイオン-水分子衝突において起こりうるすべての相互作用(弾性散乱、電離、励起)を考慮した重イオントラック計算コードを開発した。その際、放出二次電子が続いて起こす弾性散乱、電離、励起、電荷移行は電子輸送コードKURBUCを用いている。本講演では二次電子放出特性とトラック構造、動径線量分布の詳細を報告する予定である。