抄録
環境配慮行動の促進には,日常の暮らしにおける人々の行動意図を把握することが不可欠である。本研究ではライフスタイルの豊かさに関する価値指標を元に2,000名を対象に五件法によるアンケート調査を実施し,主成分分析により10の成分を特定した。これらを体系的に整理した結果,行動意図に影響を及ぼす3つの要因 ①環境配慮の促進(交流・経験・自然要素),②環境配慮の阻害(利便性要素),③状況や条件による環境配慮変動の可能性(社会的同調・家族・郷愁要素)が存在する構造が明らかとなった。促進・阻害・状況変動という複雑な構造の理解は,環境配慮行動の困難さを捉え直す視座を提供し,新たなライフスタイルの構築に向けた示唆を与える。