日本原子力学会 年会・大会予稿集
2011年秋の大会
セッションID: O33
会議情報
沸騰熱伝達
先進型高速炉実用化に向けた保全技術開発
3. マイクロキャラクタリゼーションを用いたオーステナイト系ステンレス鋼の劣化損傷評価技術の開発
*鈴木 隆之原田 祥久
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抄録
先進型高速炉の候補構造材料であるSUS316FR鋼の溶接材を対象に、マイクロキャラクタリゼーションを行った。磁束密度を計測したところ、クリープ損傷材及び未損傷材とも、溶接金属部で残留磁束密度が計測されるが、クリープ損傷材の方がその値が小さい。磁気力顕微鏡を用いたマイクロキャラクタリゼーションにより、未損傷材では磁性相である連結状のδ-フェライト相が観察された。一方、クリープ損傷材でもδ-フェライト相が観察されたが、その含有率は未損傷材よりも少なく、またその形態も孤立状であることがわかった。したがって、溶接材のクリープによる劣化損傷の進行は溶接金属のδ-フェライト相の形態、含有率と関係していること、したがってその形態や含有率を磁気力顕微鏡により計測することにより、劣化損傷の程度も明らかにすることができることがわかった。
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© 2011 一般社団法人 日本原子力学会
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