抄録
光ファイバーは電磁ノイズの影響を受けないことから、原子炉や核融合炉内の放射線環境下の情報を得るための新規な遠隔計測装置の一つとして注目されている。特に、加熱された光ファイバー自身によって発生する熱発光の強度は温度に依存することから、炉内の温度計測センサーとしての適用が期待されている。これまで、1390㎚の波長における熱発光強度は、ファイバー内に僅かに存在するSi-OH基の熱振動によって生じており、高温環境下の水素および水濃度に大きく影響すると推測されている。本研究では、熱発光と水素の関係を明らかにするため、水素および水濃度の異なる多様な雰囲気に曝された光ファイバーの高温領域の熱発光および光吸収特性の変化について調べた。