抄録
使用済燃料ピットでは使用済み核燃料の崩壊熱を除去するために冷却設備によって一定温度以下に保たれる。冷却設備の停止を伴う保守点検作業においては、水温が制限値に達するまでの時間予測が重要になる。プール水から建屋内換気空気への伝熱には、プール水内自然対流熱伝達と建屋内換気空気への対流熱伝達に加えて、プール水表面で水の蒸発による除熱も関わりを持つ。しかしながら、現在、後者について精度良く求める方法が無く、この効果を無視して水温度上昇を求めている。本研究では、蒸発を伴う熱伝達に関する伝熱量評価の整備を目的としている。