抄録
東京大学グローバルCOEプログラム「世界を先導する原子力教育研究イニシアチブ」では,カリフォルニア大学バークレー校(UCB)との連携のもと、過去2年間、毎年夏に原子力の社会的側⾯についての体系的・網羅的な学習の場を提供する国際サマースクールを実施してきた。今年度は本プログラム最終年度にあたり、過去2回の経験を集大成すべく準備を進めていたところ、2011年3月11日に福島第一原発事故が発生した。そこで、今年度の国際サマースクールは同事故についての技術的、社会的、倫理的等、様々な側面からの多角的な振り返りをテーマにした内容とし、講師陣と参加学生のインタラクションを通して、今後の原子力工学分野が向かうべき方向性、原子力工学者が果たすべき役割等を議論した。本報告では、そこでの討議内容を報告するとともに、本プログラムが取り組んできた教育プログラム開発が福島事故後の原子力分野において持ちうる意義について論じる。