抄録
緊急被ばく医療においては、患者の被ばく線量評価が重要である。原子炉での被ばく事故はもとより高エネルギー加速器施設での被ばく事故での線量評価手法の開発が喫緊の課題である。特に、中性子とガンマ線の混在場においてガンマ線の線量評価手法は現在も定まっていない。波形弁別法は、有機液体シンチレータを用いた測定で中性子とガンマ線の弁別に有効であった。有機液体シンチレータではガンマ線のエネルギー決定精度が悪いのが難点であった。そこで我々は測定手法にTOF法および波形弁別法を適用し、検出器にはNaI(Tl)を用いたガンマ線測定を行った。今回はサイクロトロンを用いた高エネルギー中性子場における測定について報告する。