抄録
リアルタイム中性子個人被ばく線量計は、現在、原子力施設などで幅広く利用されている。その応答関数は、高速中性子ではまだ十分に評価されていない部分がある。これを解明することで、リアルタイム線量計の高エネルギー中性子場へ応用できる。これまでシリコン半導体素子では、荷電粒子に対してファンネリング現象が生じ、これが素子で検出されるエネルギー量が大きくなることを分かった。このエネルギー付与のモデルと、さらに本研究で改善したモデルを用いることで、これまでのモデルでは、シュミレーション出来なかった高速中性子に対する応答特性を全く再現することが出来なかった。しかし、本研究でのモデルを用いることで、この応答特性を再現することができた。これらの応答特性取得の実験は、絶対量が高精度に評価されている産総研の単色中性子ビームを用い、シュミレーションは中性子、荷電粒子を輸送できるMCNPXコードを用いた。