抄録
TlBrは原子番号がCdTeに比べて高く,高エネルギーのX線やガンマ線の検出器材料として期待され,検出器特性の向上に関する研究が行われている。従来TlBr検出器からの出力波形は複数のアナログ回路を用いて処理が行われているが、その処理の自由度には限界がある。そこで本研究では、検出器からの出力波形をデジタイザによりデジタル変換し、計算機上での数値演算により処理を行う実験系を構築し、検出器特性の向上と評価を行った。0.5mm厚のプレーナー型TlBr検出器を用い、その出力波形の形状よりガンマ線の相互作用深さを求め、深さ補正を行うことにより662keV のガンマ線に対して2.7%のエネルギー分解能を得た。また、その得られた深さ情報を利用し、TlBr結晶のキャリア移動度の評価を行った。