抄録
ガドリニウム含有ジルコニウム水素化物をバーナブルポイズンとして高速炉に適用した炉心と従来型の炉心の特性を解析・評価し、炉心仕様・特性の比較を行った。燃焼反応度は本炉心で大幅に減少するため、制御棒価値は小さくても成立見通しがある。また安全性にかかわるボイド反応度及びドップラ係数は大幅に安全側にシフトする。従って、燃焼反応度の抑制により過剰反応度が大きく低減できる炉心は、反応度係数の観点から事故時安全性が大きく向上できるため、定格運転時の設計余裕を従来炉心並みとすることで、制御棒削減による経済性の向上と安全性の向上を両立できる実用化に適切な革新的炉心であると評価できる。