抄録
核融合炉材料の開発のための高フルエンス中性子源としてIFMIFの開発が進められており、重陽子ビームのターゲットとして液体金属リチウム流が検討されている。装置の健全性と中性子場の確保のために、リチウム流の自由表面波動特性の解明は重要な項目である。我々は、大阪大学液体金属リチウム循環ループを使用し、表面波の発達過程の把握を目的として、ノズルから下流15mmと95mm 、175mmの3地点において、電気接触式液面計を用いて表面変動特性を計測した。実験結果から15mm~95mmと95mm~175mmでの波の増幅率を求めたところ、全流速条件において、下流部と比較し上流部での波の発達率が大きい傾向であることがわかった。また、流速7m/s以上では増幅率が減少傾向にあり、上流部での波高計測のデータから、下流部の波高データを評価することができると考えられる。