抄録
日本原子力研究開発機構では、原子力施設の耐震評価の更なる向上のため、巨大地震下における原子力施設全体の挙動解析を可能とすることを目指している。本研究では、挙動解析とそのV&Vに向けたシミュレーションフレームワークを提案している。本フレームワークは、観測との精緻な比較、複数の異なるモデリング間の詳細な比較、構造強度の正確な評価に向け、以下の3つのシミュレーションから構成される。①地盤-建屋-機器(ビームモデル)の統合構造シミュレーション、②部品組立を考慮した機器(ソリッドモデル)の組立構造シミュレーション、③機器内部の冷却材の熱流体シミュレーション。これまで、①と②の構築を進め、実原子力施設を対象として挙動解析を行った。解析結果を観測結果と比較することで、地盤および建屋の挙動についてよい一致を示すことを確認した。