日本原子力学会 年会・大会予稿集
2012年秋の大会
セッションID: C31
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放射性物質の除去を目的とした吸着繊維の開発
(2) セシウム除去用吸着繊維の製造とその性能
岡村 雄介*藤原 邦夫 須郷 高信 浅井 志保斎藤 恭一
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会議録・要旨集 認証あり

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抄録
放射性セシウムを水中から除去するためには,セシウムに対して選択吸着性の高い吸着材を使う吸着法が有効である。吸着材として,フェロシアン化金属化合物が報告されてきた。しかしながら,この吸着材は微粒子であり,除染作業には不便である。本研究では,ナイロン繊維を出発材料に用いて,放射線グラフト重合法によって,繊維表面に接ぎ木高分子鎖を付与したのち,イオン交換と沈殿反応を経て,接ぎ木高分子鎖にフェロシアン化金属化合物を担持した。得られた繊維を吸着繊維と名付ける。この吸着繊維を除染現場に提供するため,1バッチで100 kg程の吸着繊維を製造できる反応装置を設計した。また,製造した吸着繊維のセシウム除去性能について,回分法で吸着速度および透過法で吸着等温線を測定し,そのセシウム除去性能が,従来の吸着材に比べて,優れていることを実証した。
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© 2012 一般社団法人 日本原子力学会
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