抄録
福島第一原子力発電所の事故に起因して放出された放射性物質により汚染された周辺地域では、線量当量率低減のため、高圧水洗浄等の方法を用いた除染計画が策定されている。本発表では、当該プロセスで発生する除染排水から放射性物質を取り除き、環境への放出を可能とする除染排水処理設備の開発について報告する。除染排水には砂を主成分とする多量の固形分が含まれており、放射性物質の大部分はこれらに安定的に付着している。本設備では沈降分離及びフィルターろ過により固形分由来の放射性セシウムを除去した後、微量に残留したイオン状の放射性セシウムを吸着処理により除去する。