抄録
粒子線がん治療において、照射時に生成される中性子やガンマ線などの二次放射線を定量的に把握することは、患者並びに病院関係者の被曝管理において重要である。そこで本研究では、放射線医学総合研究所のHIMAC施設において、治療に使用される290MeV/u炭素ビームを厚さ20cm、高さ32cmの水ファントムに入射することで生成される中性子の二重微分収量を測定した。中性子検出器として直径127mm、厚さ127mmと直径50.8mm、厚さ50.8mmの2種類の大きさの液体有機シンチレータを使用し、幅広いエネルギーの中性子を測定した。中性子のエネルギーは飛行時間法により決定した。数MeV以下の低エネルギー中性子を精度よく測定するため、ビームダンプと検出器の間に鉄とコンクリートによる遮蔽体を設置した。得られた測定データはPHITSコードによる計算値との比較を行った。