抄録
高レベル放射性廃棄物の地層処分における炭素鋼オーバーパックの腐食で発生する水素ガスの影響評価手法の適用性を確認するため、幌延深地層研究計画での岩盤を対象としたガス移行挙動試験計画の立案を行った。計画の立案に際しては、海外で実施されている原位置での岩盤のガス移行試験を調査するとともに、試験で適用するガス圧載荷ステップを設定し、ガスの移行範囲や最大ガス圧で生じる有効応力を把握するための力学連成二相流解析を実施した.力学二相流解析の結果については,注入したガス量でボーリング孔周辺の水飽和度が85%程度まで低下し,発生する応力も岩盤の破壊強度程度になることが確認できた。