抄録
原子力機構では、沸騰伝熱機構を解明するために、伝熱面からの気泡の発生や成長に及ぼすセンサ等の影響を受けずに、時間的、空間的に変化する伝熱面温度/熱伝達量を高分解能で計測する技術を開発している。非常に早く変動する過渡現象にも追従できるように、伝熱体内部温度計測に関しては、共同陽極を持つ微細温度センサ群を導入した。
本研究は、&Phi50μmのポリイミド被覆コンスタンタン素線を用いて、共同陽極を持つ特殊T型微細温度センサを開発した。伝熱表面から1.6μmの伝熱体内部に、気泡核の中心線から1mmの距離内に、計4点の温度センサを配置した。そして、微細センサを配置した上記伝熱体を用いて、大気圧で沸騰実験を実施した。沸騰サイクルにおける気泡下温度分布を計測したとともに、高速度カメラによる気泡成長の観察も行った。取得した温度データおよび高速度カメラ画像の分析により、沸騰サイクルにおける伝熱機構を提案した。最後に、計測した温度分布データを用いて、逆問題解析を行い、各センサ半径位置における伝熱面表面温度および表面熱流束を取得した。