抄録
ナトリウム冷却高速炉の蒸気発生器の伝熱管破損事故(SGTR)でのナトリウム・水反応挙動の解析においては、実験に基く相関式を多用することに起因して、特にシビアアクシデントを含む大規模破損時の最大到達温度や圧力の評価に大きな誤差が介在した。JNESでは、安全規制に供する目的で、微視的手法を取り入れたより機構論的なSGTR解析手法を開発している。本研究では、分子動力学(MD)を用いて反応Q値やナトリウム蒸発速度を評価し、これを巨視的なCFDに導入してSGTR時の温度・圧力挙動を解析する手法を整備した結果を報告する。