抄録
福島第一原発事故では,原子炉の停止は成功したが,想定外の地震及び津波により全交流電源が喪失したため炉心の「冷却」と「閉じ込め」に失敗した.無電源下での軽水炉の安全を確保する方法として自己高圧注水エジェクタを用いた自力無放出冷却系を提案し,これまでに理論的な根拠を示してきた.本研究では水蒸気の超音速二相流エジェクタで得られる昇圧特性を実験的に明らかにする.低圧条件で作動できる超音速二相流エジェクタを作製し,蒸気発生タンクおよびポンプ等により簡易的な開放型実験装置を構成した.飽和蒸気の圧力や吸引する水の圧力およびエジェクタ背圧を変化させ,水蒸気と水が混合することで発生する昇圧の特性を調べた.エジェクタの背圧を徐々に上げたところ,エジェクタ出口において蒸気発生タンクよりも高い圧力が得られることを明らかにした.