抄録
原子炉の燃料部分は数百体もの燃料集合体によって構成されており、それぞれに流れる冷却水の流量を等しくすることは安全設計上重要なものとなっております。その為、各燃料集合体の圧力損失を揃える必要があります。しかし、燃料集合体にはスペーサなど複雑な構造体が付けられているので圧力損失を求めるには実機条件による流水試験を行わなければならず、多大な時間と経費が必要です。 そこで本研究では、燃料集合体の圧力損失を、試験を実施することなく解析的に予測する手法の構築を目的としています。 現状では、原子炉内部など複雑な状況下における気液二相流の数値解析は、実験値との誤差が非常に大きく出てしまいます。本研究では、液体単相流でのCFD解析(数値流体解析)と気液二相流則を組み合わせることにより、実機に適応できる新たな数値解析手法を提唱します。