日本女性科学者の会学術誌
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総説
酵母を視る―細胞壁形成機構の解析を中心に―
大隅 正子
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2009 年 10 巻 1 号 p. 17-40

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抄録

酵母細胞の機能と結び付けてその微細構造を正しく視るために、著者を中心として開発してきた固定法の変遷を紹介し、「無コーティング超高分解能低加速電圧走査顕微鏡法」、「加圧凍結・極低温低加速電圧走査電子顕微鏡法」の開発と、それにより解明された、酵母細胞の微細構造について概説した。それらの研究成果を基にして、分裂酵母の細胞壁再生のモデル系を構築し、細胞壁の形成機構について細胞表層と細胞内小器官の挙動から解析し、これに関与するアクチン細胞骨格の役割について理解を深めた。さらに、集束イオンビームによるマイクロサンプリング法を応用して、細胞壁の分子構造を可視化する手法の開発における最新の成果を記述し、合わせて、酵母細胞内のF-アクチンのやじり構造の可視化をミオシンS1修飾により成功させ、細胞分裂におけるアクチンの役割について究明した。最後に、酵母研究の今後の展望を論じた。

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© 2009 日本女性科学者の会
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