抄録
日本原子力研究開発機構では、超臨界圧水を冷却材とする、超臨界圧水軽水炉(SCWR)の熱流動解析手法の確立を目的として、三次元二流体モデル解析コードACE-3Dを拡張した熱流動解析コードの開発を実施している。既報において課題とされた、流路内バルクエンタルピーが擬臨界エンタルピーに近づくにつれて、壁面温度を大きく過小評価する傾向を改善するため、本報では、標準k-εモデルに代えて、低レイノルズ数型k-εモデルであるLaunder-Sharmaモデルを用いた解析を実施した。その結果、擬臨界エンタルピー近傍における過小評価を改善し、Launder-Sharmaモデルを用いることにより、SCWR燃料集合体内熱伝達現象の予測精度が改善できることを確認した。