抄録
本研究では、核融合用増殖材として期待されるLi過剰メタチタン酸リチウムのペブル圧壊試験を実施し、ワイブル解析によって還元雰囲気中の熱処理が微小球の機械的強度に及ぼす影響を明らかにした。熱処理によるペブルの焼結の影響を排除するために、大気中と還元雰囲気中で最大18日間の熱処理(900℃)を施した。熱処理前後のペブル40個の圧壊強度を測定し、ワイブルプロットを作成した結果、すべてのペブルで初期型故障と摩耗型故障のモードが混在していることが確認された。また、還元熱処理を施したペブルは大気雰囲気で熱処理したそれと異なり、摩耗型故障モードの尺度パラメータ(ワイブル強度)が減少することを明らかにした。これらの解析結果は、熱処理前後の結晶構造や微細構造の変化ともに発表される予定である。