抄録
現在、京都大学原子炉実験所においてパルス中性子源を用いた核種定量のための非破壊分析法の開発を行っている。本研究ではSelf-indication法を用いる。本手法は中性子による共鳴反応に着目し、indicatorとして測定対象核種の高純度サンプルを配置することで、測定対象核種に対し高感度の透過中性子束測定が可能となる。そこで、20GWd/tまで燃焼したBWRのMOX燃料ペレットを対象に、数値計算を用いてSelf-indication法の妥当性を評価した。その結果、従来の透過中性子分析法と比較すると、種々の核種の共鳴が存在していても目的核種の共鳴のみを観測できることが明らかとなり、Self-indication法の妥当性が示された。