2020 年 45 巻 p. 27-42
1990年代以降の中期親子関係研究の動向を、山田昌弘が1999年に『パラサイト・シングルの時代』(ちくま新書) で提起したパラサイト・シングル論を中心に振り返り、パラサイト・シングル論の論理を再検討し、それが家族変動論、近代家族論、交換理論など家族研究に果たした意義について整理した。そしてこの20年間の量的な実証研究の知見を整理し、中期親子関係研究の今後の課題として、①概念や対象設定の再整理、とりわけ同居や同居率など基礎的な前提を検証すること、②中期親子関係に焦点化した理論的な説明の深化、③単身男性や不安定就労、ひとりっ子などを中心とした中高年シングルへのアプローチ、を提示した。データの拡充もあり、今後はパラサイト・シングル仮説も親との居住と婚姻だけでなく、きょうだい順位や、親と子の階層、きょうだい順位なども考慮に入れた精緻な分析、そして長期的な視点での因果の解明が期待される。