地球科学
Online ISSN : 2189-7212
Print ISSN : 0366-6611
関東平野西縁丘陵の地質(1)
加住丘陵周辺の層序・構造と年代
関東平野西縁丘陵研究グループ
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1995 年 49 巻 6 号 p. 391-405

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抄録

筆者らは1990年以来,関東平野西縁丘陵地域の鮮新-更新統の層序・構造・堆積年代・古環境の解明をめざして調査をすすめている.本論文では,第一に,加住丘陵西部と川口丘陵地域の詳細な地質調査の結果,基盤にあたる秩父累帯,四万十累帯の地層群の複雑な分布形態と,加住礫層(飯能礫層)の堆積過程を明らかにしたことを報告する.第二に,基盤直上の加住礫層下部層(新称)の中に含まれる火山灰層のフィッショントラック年代の測定結果と,大型植物化石・花粉化石のデータの解析および長鼻類化石の分帯による新見解などにもとづいて加住礫層下部層の年代を検討した結果,これまで鮮新世末期-更新世初期の堆積物と考えられていた加住礫層下部層は,鮮新世後期〜末期に限定される可能性が大きくなった.

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© 1995 地学団体研究会
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