地球科学
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秩父盆地新第三系の最上部中新統,横瀬町層群の化石と古環境
正井 信雄石田 吉明佐瀬 和義小幡 喜一
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2000 年 54 巻 1 号 p. 3-12

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抄録

秩父盆地新第三系中期中新統最上部層横瀬町層群より,多くの軟体動物化石が発見された.発見された主な化石はOstrea gravitesta, Macoma optiva, M. izurensis, M. arctata, Cultellus izumoensisなどであり,これらの産出化石から推定される古環境は,潮間帯〜下部浅海帯の間で変化し,海域も狭くなってきたことが明らかとなった.貝化石のデーターからつくられたHDM曲線をもとに推定された古緯度は北緯34〜35度である.秩父盆地新第三紀団体研究グループ(1991,1994)の地質学的データとここでの化石の分析から得られたデーターより,古地理図と古水深の変遷を復元した.その結果,本地域の海域は南東側に開いていた可能性が示唆された.

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© 2000 地学団体研究会
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