地球科学
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能登半島地震前後の環境放射能の変動(<特集>2007年能登半島地震 その2)
小村 和久稲垣 美幸西川 方敏中西 孝早川 和一唐 寧楊 小陽飯田 孝夫森泉 純
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2007 年 61 巻 5 号 p. 335-342

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抄録

環境放射能の観点から能登半島地震発生前後の放射能関連のデータの解析を試みた.解析したのは,輪島市西二又地区で採取した大気浮遊塵中の210Pb,輪島沖50kmに位置する舳倉島のラドン濃度,地震発生後の4月21日から西二又地区で連続測定を実施した空間γ線レベルの3項目である.その結果,地震発生約3週間前から大気浮遊塵試料のラドンの娘核種210Pbの濃度が増加し,地震直前にピークに達した後に低下に転じ,約2週間後にほぼ平常値に回復していたことが分かった.舳倉島のラドンには地震の影響は見られなかったが,西二又における空間γ線レベルはラドンに由来すると考えれる高い値が約6週間後も続き5月中頃に平常値に戻ったことが明らかになった.

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© 2007 地学団体研究会
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