地球科学
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愛媛県西予市の田穂層(三畳紀前期)産の板鰓類リソドゥスの歯化石
後藤 仁敏田中 猛宇都宮 聡
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2010 年 64 巻 3 号 p. 111-116

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抄録

西南日本の愛媛県西予市魚成田穂上組において,田穂層の石灰岩(三畳紀前期Spathian)から産出した板鰓亜綱ヒボドゥス上科のLissodus sp.の歯化石を記載した.歯冠は細長い菱形の咬合面をもつ.咬合面には低い主咬頭をそなえ,横走する稜とそこから歯冠の頬側縁および唇側縁に走る多数の稜が観察される.本論文は,日本の三畳紀前期の海成層から発見されたLissodus属の最初の報告で,三畳紀前期から中期の本属の分布と生息域の変遷を研究する上で重要であると考えられる.

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© 2010 地学団体研究会
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