東アジアへの視点
Online ISSN : 1348-091X
日本における外国出身高度人材の就職地選択行動と影響要因
戴 二彪
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2020 年 31 巻 1 号 p. 11-33

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抄録

近年の日本において,少子高齢化の加速に伴い,留学生の受入れがさらに重視されるとと もに,外国人の就労・定住に関する規制も大きく緩和されている。こうした背景の下で,外国出身高度人材歓迎政策が各地で打ち出されている。しかし,大都市圏と比べ,多くの地方自治体では,一定の政策効果があったものの,期待されたほど大きくはない。その原因の1つとして,多くの人材誘致策は外国出身高度人材の就職地選択行動を十分に理解したうえで策定されたものではないからだと考えられる。 本研究は,統計データと聞き取り調査に基づいて,新卒外国人留学生をはじめ,日本における外国出身高度人材の就職地選択行動を考察した。さらに,都道府県レベルのパネルデータと固定効果モデルを用いて,外国出身高度人材の就職地選択行動に対する目的地の地域特性による影響を検証した。こうした分析の結果とその政策示唆を踏まえて,最後は,地元北 九州市の海外人材受入れ・定着促進政策に関して,いくつかの対策を提言したい。

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© 2020 公益財団法人 アジア成長研究所
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