稲田の上の風速分布, 気温分布を測定し同時に風向の変動についても観測を行つた。平均風速分布の測定結果からd, z0を求めた所, 高さ200cmの風速が1-5m/secの範囲ではdが減じz0が増す傾向を示し, 水稲の生育時期状態により風速とd, z0との関係が変る様である。
風向の変化の巾は5分間で乱れの大きいときは60~70°, 小さいときは30°位であつたが, これは観測時間を長くすれば大きくなる。風向の乱れ〈φ2〉(横方向の乱れ) も観測時間の函数で理論からは観測時間の2/3乗になることが期待され大体その様な結果を得た。
風向変動の相関係数を計算した所観測時間, 読取間隔の適当不適の各種の場合が得られ, これらの結果から察するとここに観測された乱れは主として連結乱子より大きい地形性中規模乱子によるものであることが判つた。