農業気象
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南九州における水田蒸発散について
岩切 敏
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1965 年 21 巻 1 号 p. 15-21

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抄録
早期および普通期栽培における水田蒸発数量の季節的変化が明らかにされた。蒸発散合計量は栽培期間の長い普通期栽培が多く410mm (普通期), 350mm (早期) をえた。また日蒸発散量の極値は年間で最も日射量の大きい時期と最大繁茂期が一致する早期栽培の方が大きいが, 全期間平均値は早期-3.71mm/day, 普通期-3.57mm/dayで両者間に本質的差異は認められなかつた。蒸散量の季節変化における2極大現象は本実験では明らかでなかつた。蒸発散量は小型蒸発計蒸発量に比較的近い値を示すがこれによつて短期間における水田蒸発散量を推定することは困難である。蒸発散量の実測値と熱収支法および組合せ法をもちいた計算値との比較を試みたが, 組合せ法が実用に適していると判断された。
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© 日本農業気象学会
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