愛知作業療法
Online ISSN : 2759-3916
入院中の認知症者に対して集団レクへの参加により 低活動性を主とした行動・心理症状の改善と 生活の質の向上に至った一例
伊藤 智子神田 太一
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2025 年 33 巻 p. 62-67

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抄録
認知症高齢者は入院によりせん妄や周辺症状の悪化で身体疾患の治療に支障をきたすと言われている.行動・心理症状の治療には非薬物療法を優先的に行うことが原則とされており,なかでも集団レクリエーション(以下,集団レク)は認知・精神の安定,主観的健康観の向上,意欲の向上といった効果が期待される.今回,入院中に低活動性 BPSD が出現した症例に対して,他者交流要素を含んだ集団レクを実施したところ,低活動性 BPSD の軽減,日中の活動量の向上,QOL の向上が見られた.このことから,集団レクを実施する際に,意欲や自発性の向上が図れる場や課題や課題の設定を行うこと,楽しみを習慣化させることで,入院中の低活動性 BPSD の改善につながると考えた.
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© 2025 愛知県作業療法士会
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