日本エイズ学会誌
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エイズサーベイランス報告に基づく死亡報告数の推移とその検討
松山 裕橋本 修二市川 誠一中村 好一城所 敏英福富 和夫木原 正博
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2000 年 2 巻 1 号 p. 30-34

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抄録

目的: エイズサーベイランスへ報告された死亡数の推移を分析した。
対象及び方法: 1989-1998年までのエイズサーベイランス報告を基礎資料とした。死亡報告の漏れを検討するため、HIV/AIDSの診断年月日、性、国籍をキーコードとしてAIDS患者報告と死亡報告の個人単位のリンクを試みた。
結果: 1998年末までの累積死亡報告数は572人 (日本国籍者466人、外国国籍者106人) であった。1989年以降単調に増加傾向にあった死亡報告数は1996年をピークに減少に転じ、とくに、1998年の死亡報告数は1997年の62%であった。統計的な個人単位のリンクの結果、全死亡報告者のうち約90%がリンク可能であった。1989年以降にAIDSの診断を受けた患者のその後の死亡報告状況を検討した結果、エイズサーベイランスの死亡報告には漏れのある可能性が示唆された。
結論: エイズサーベイランスへ報告された死亡数の推移を示した。その結果、報告には漏れのあることが示唆された。

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