抄録
目的: Lipodystrophyを合併した抗HIV薬投与中の患者にrecombinant human growth hormone (r-hGH) を投与し有効性および副作用を検討した.
対象および方法: 対象は1996年にAIDSを発症し, 抗HIV薬投与中にlipodystrophyを合併したwasting syndromeを有する24歳女性. 抗HIV薬投与中のlipodystrophyに対しrecombinant human growth hormone (r-hGH) を投与しその有効性および副作用を検討した.
結果: Recombinant human growth hormone (r-hGH) を投与にて, 重篤な副作用もなく臨床症状の改善を認めた.
結論: 本症例のlipodystrophyの原因はプロテアーゼ阻害薬が原因の一つと考えられた. また, r-hGHはlipodystrophyに対する有効な治療法と考えられた.