2007 年 9 巻 2 号 p. 136-146
目的: 日本でHIV-1遺伝子型薬剤耐性検査を実施しているほとんどの施設は, 国立感染症研究所が開発した方法を参考にしたin-houseの手法を用いて検査を行っている. しかし, これらの施設が実施しているHIV-1遺伝子型薬剤耐性検査の質は, 今までに評価を受けたことがない. 我々は, 口本で薬剤耐性検査を実施している15施設について, 検査の精度と信頼性を調べることを目的としてコントロールサーベイを実施した.
材料および方法: HIV-1遺伝子型薬剤耐性検査を実施している15施設で, 2種類のクローン化薬剤耐性HIV-1RNAを用いて薬剤耐性検査を実施し, その検査結果を評価した.
結果: HIV-1遺伝子型薬剤耐性検査の質は, 正解率が97.3%と, 非常に高いことが明らかとなった. 誤答の原因は, 不適切なプライマーの使用, エレクトロフォレグラムの乱れ及び, 人為的誤りなどであった.
結論: 日本で実施されているHIV-1遺伝子型薬剤耐性検査の水準は高い事が明らかになった. しかしその水準をより一層向上させるために, 今回明らかになった問題に対して解決法を提案した.