抄録
画像により非剛体物体を認識するには,物体の変形に対し安定した特徴量を用いる必要がある.Color Constant Color Indexing(CCCI)は物体の変形と照明変動にロバストな特徴量であるが,対象物体領域を適切に抽出しないと,背景成分が混入し,特徴量の安定性を大きく損ねてしまう問題がある.ところが,複雑背景下での物体領域抽出は一般に困難である.そこで本手法では,対象物体の画像パターンを局所パターンの集合体として表現し,それらが特徴空間上で構成する分布の類似度を用いて認識を行う.学習画像より得られた部分空間に分布を投影したとき,背景成分が分布の中心に集中する性質を利用することで,物体領域を抽出することなしに安定性の高い認識が可能となる.