抄録
本稿では、コンテンツ制御、インデキシングやDRMなどのコンテンツ管理を目的とする、MPEG符号上での書き換え可能な電子透かし方式を提案する。データの埋め込みはブロックごとに行い、透かしのキャリアとして量子化されたダミーDCT係数値とそれに至るゼロランの長さを利用する。透かしの検出過程では、オリジナル符号に極めて近いMPEG符号を再構成することができ、それによって埋め込んだデータの書き換えとオリジナルMPEGビデオの画質を保持することができる。MPEG-1による符号系列を用いた実験により、PSNRを大きく劣化させることなくフレームあたり数キロビット以上のデータを埋め込み、符号再構成を実現できることを示している。