抄録
ネットワーク型アクセス制御において,ディジタル情報利用者の匿名性保持のために匿名電子決済が求められる.既存の電子現金方式では現金番号,使用時における二重使用検証,キャッシュバックなどの要素を欠く.本稿では,それらの要素を付加した匿名電子決済方式を提案する.そして,提案方式を用いることにより,ディジタル情報利用者の匿名性保持が可能となるモデルを示す.匿名性保持とは,利用者が不正をしない限り銀行やコンテンツ提供者が結託しても,支払われた電子現金から利用者を特定する個人情報が得られず,さらに利用者がどのコンテンツを利用したか特定できないことである.最後に,提案方式の安全性を証明する.