抄録
本稿では,監視カメラ画像に対して非写実的表現を適用し,人相の特徴が明瞭な画像を自動的に生成する手法について論じる.監視カメラは多様な照明条件のもとで撮影されるため,ハイライト部やシャドウ部が発生する.そのため,画像補正技術により人相の特徴を明瞭にする必要がある.しかしながら,従来の画像補正技術では,照明条件ごとにパラメータの調整が必要である.また,高感度カメラなどの導入には金銭的なコストがかかる.そこで本研究では,多重スケール解析を用いて輪郭線を強調する非写実的画像生成手法を監視カメラ画像に適用する.非写実的表現を適用した動画像は,原動画像に比べて認識速度が優れることを実験により検証する.