食味は、食品の味、形状、色、香り、テクスチャー、咀嚼音などによって決まっている。これらの情報は、人間の感覚間の相互関係が知覚に大きく影響しているといえる。そこで、本研究では視覚以外の食味に関する感覚(味覚、聴覚、食感)について、単数または複数の感覚を組み合わせた時の影響を感覚統合実験によって調査した。この実験は被験者に対して、15種類の刺激を与え、どの感覚の組み合わせがより現実感を高めているかという感覚の相互関係を調査した。その結果、食味の評価は組み合わせ数に比例していること、中でも、口内への直接的なフィードバックである味や食感は、他の感覚との相互作用に大きく貢献していることが分かった。