抄録
近年,自動車安全システムが必要とする情報は,エンジン等の内部情報に留まらず,自動車の周囲における外部の情報にまで広がりつつある.本研究では,走行する自動車に車載した単眼カメラの画像を用いて道路中心線の推定を行う.道路中心線を正しく推定することが出来れば,路面上に対する自動車の位置や道路の曲がり具合等が明らかとなり,自動車安全システムにおける重要な情報として利用できる.なお,本研究では,白線などの明確な印のない道路上においても推定が行えるように,路面領域を基にしたアプローチをとり,推定を行った.推定にあたっては時系列フィルタであるカルマンフィルタおよびパーティクルフィルタを適用した.また,道路中心線を近似する近似中心線の表現方法について3つの異なる方法を適用し,カルマンフィルタとパーティクルフィルタおよび,異なる近似中心線の表現方法別にどのような違いが生じるかを考察した.