抄録
近年,内視鏡外科手術の実施症例数は増加傾向にあり,これに伴って外科医の手術室外業務も増えている.外科医は自身が執刀した手術の内容を他者に説明することがある.例えば,腹腔鏡下胆嚢摘出術であれば平均的な手術時間は70分程度であるが,その重要なシーンを編集して,カンファレンス用であれば2分程度,学会発表用であれば20から30秒程度のショートクリップを作成しなければならない.本研究では,人工知能を用いて手術の工程,用いられた処置具,主要な解剖学的ランドマークの時系列データを作成し,これに基づいて外科医が重要なシーンを選択できるシステムの開発を目的としている.発表では,システムに用いている人工知能の概要を紹介し,システム開発の現状について報告する. 本研究の遂行にあたり,指導教官として終始多大なご指導を賜った,福岡工業大学情報工学部情報システム工学科教授徳安先生に深謝致します.多数の資料提供と共同開発をして頂いた大分大学医学部様に深く感謝致します.最後にオリンパス株式会社様には研究にご協力頂きました.ここに誠意の意を表します.