抄録
人口衛星に搭載された合成開口レーダー(SAR)による観測は、衛星から照射された観測用マイクロ波の地表面における後方散乱成分のうち衛星のアンテナで受信したものを到着順に記録することで実施される。この観測原理により,地表の凹凸に起因して観測用マイクロ波の届かないレーダーシャドウ領域が発生する場合がある。このレーダーシャドウ領域を、国土地理院発行5mメッシュDEMデータを利用して抽出する手法が提案されている。本稿では、レーダーシャドウ領域抽出の従来手法を更に高速化及び必要なデータ量を軽量化する手法を提案する。いくつかの仮想地形と実際の地形に提案手法と従来手法とを適用した結果を比較し、提案手法の有効性を確認した。