抄録
ハイパースペクトルカメラは対象物から入射する電磁スペクトルを高い波長分解能で検出できるVNIR センサーであり、近年あらゆる分野での応用が期待されている。本研究では、ハイパースペクトルカメラを施工分野に応用し、関心領域の抽出、盛土に含まれる水分量のおおよその推定の可能性を検討した。データは実際の現場の方の協力のもとで撮影された施工中の盛り土のハイパースペクトルデータを使用した。関心領域の抽出については、抽出対象領域の平均教師スペクトルが用意できれば、そのスペクトル波形に類似している領域の抽出が可能であることを確認した。次に、水分量の推定に関して、抽出された盛り土に対し、水分量ごとにラベリングを行った教師データを用いてXGBoostなどのアンサンブル学習で構成された予測モデルを作成したところ、94%の分類精度が得られた。以上のことから、ハイパースペクトルカメラの施工分野における応用可能性が示唆された。