1978 年 268 巻 p. 121-134
全般的に見て「スペース」の問題指摘が多く, 特に「数量」, 「面積」等が多い。これらは精神薄弱児養護学校でも共通な点であるが肢体不自由児養護学校の場合特に各種の肢体の障害の実状に対応した広さが求められ, 基準等を含め再検討の必要がある。又肢体不自由児養護学校の場合は「出入口」, 「設計寸法」・「勾配・段差」等でより綿密な設計が求められており, 車椅子・歩行器利用児, 重度・重複障害児等の障害の多様な内容・程度に応じた計画及び避難を考慮した計画が求められ, それらの個々の児童への対応と更にはそれらの児童が移動する場合の転倒又は衝突の原因と安全対策が求められている。以上の様な問題点の量的把握の発展として今後は問題指摘の多かった面積を検討するための養護学校の生活実態の把握と問題とされる部位の納まり, 仕上等の検討へと研究を進めるつもりである。