日本建築学会論文報告集
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水のイメージの構造と水空間の演出手法 : その 2 構造と演出
鈴木 信宏
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1980 年 296 巻 p. 137-144

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抄録
水のイメージの構造的特質は, 次のように要約できる : 〔1〕水のイメージの形成要因としての物理的要素は, 指向要素と演出要素の2つに分けて考えることができ;〔2〕指向要素の差によって, 水のイメージの構造は, 水特徴型・広域型・物体型, 及び空間型, なる4つの基本的な構造型に大別することができる。〔3〕また, 演出要素は, 知覚の条件となる働き(a, 出発刺激, b.通路, c.閾上刺激), 見易さ獲得の働き(a.方向, b.視角量), 目立たせる働き(a.対比, b.障害刺激減, c.感覚操作), 及び連想させる働き(a.対極連想, b.同質連想), なる4つの働きをもって, 指向要素の明確な知覚の契機となる。〔4〕なお, 水のイメージの形成要因としてとらえた物理的要素はすべて, 空間を設計し, 操作するという立場からとらえた環境と, そこへの物の在らしめ方, ないしは物の知覚のさせ方に関する特徴である。
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© 1980 一般社団法人日本建築学会
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